完成させることが大切

完成させることが大切

私の場合、絵本や小説を読むことが小学生の頃から好きでした。そのため、よく「ああ面白かった。次の本はどんなお話だろう」とわくわくしたものです。読んでいるうちに"お話"が自分の中に積み上がっていったように思います。

そのうち、「自分もこんな話が書けたらいいな」「こんなお話が思いついたから、形にしてみたいな」など、「書いてみたい!」という欲求が強くなり始めました。蓄積されていった"お話"が引き出しとなってアイデアが浮かんだのです。忘れてしまうには惜しいから何かに留めておきたいと思い、書いてみよう、となりました。

最初は拙い文章でした

最初に書いてみたものは、台詞のみの地の文無しのお話でした。小説と呼ぶにはおこがましいレベルの文章です。それでも、当時の自分にはやりきった感はありました。

思い浮かんだものを書いて、ネット上にアップして…と繰り返すうちに、段々と小説を書くことに慣れていきました。始めの頃は書いたらそこで満足していましたが、打てど響かずといった現状に疑問を抱き、読み手のことを考えるようになりました。それからは、ネット上に掲載されている小説の書き方講座なるものを片っ端から読み漁っていた記憶があります。

そして高校3年の時、本格的に小説の書き方を学びたいと思い、創作小説を学ぶ大学へと進学するに至りました。

日々の気づきが豊かな人生に繋がる

思い浮かんだ"お話"をこの世に留めておきたい、というのが私の小説を書く原動力だったため、出来上がった時は大きな喜びを感じます。書いた作品がまるで自分の子供のように感じられるのですね。自分にとって価値ある作品が生まれていくことがとても嬉しいのです。

他に、人間や周りの物事をよく見るようになりました。意識して観察せずとも、感じたことや情景に気づくと「あ、今のいいな。残したいな」と思うことが増えていきます。良いことでなくてもいいのです。例えばムカつく上司がいたら「こいつめ、いつか小説に落とし込んでやろう」となったりします。その過程が楽しいのですよね。小説を書いていると人生が豊かになると実感します。

誰かの心に響く作品を公開していきたい

たくさんの人に自分の小説を見てもらいたいな、と思っています。今の時代はSNSなど作品を公開出来る場が増えており、多くの人の目に留まる機会が増えています。始めのうちは誰にも見てもらえないかもしれません。しかし、作品を公開し続けていればいつか必ず誰かの心に響く日が来ます。

私自身もネット上で小説をよく読んでおり、こんなに面白い小説があるのに読んでいる人が少ないのか……という経験が数多くあります。書いたけど、作品を公開するのは恥ずかしい……という声もあるかと思います。気持ちはとても解ります。が、自分の中だけで完結させておくのは勿体ないなあと私は思います。自分の書いた作品、誰かに見てもらいませんか?

書いてみたいという方へ

小説を書くのは初めてという方は、まず200字程度でいいので完成させてみましょう。オチは、描写は……など難しいことは考えなくて構いません。なんなら食パンをくわえた少女が曲がり角で男性とぶつかる、という出会いだけのシーンでもいいのです。完成出来た!という自信を持つことが大事です。加えたい文章があれば後で書き足しましょう。

書いてみたけどこんなに短い小説を公開する意味は?と言われれば、あります。掌編小説という文字量の短い形態があります。他の方の書いた作品を読んでみるなどもして、文章を書くことに慣れていきましょう。

苦悩、スランプ……書けるようになるまでの筋道は

小説執筆経験があり、スランプに陥ってしまっている……或いは、小説を書くのが苦痛だ……という方へ。

私の場合は、小説以外の他のことに目を向けてみています。テレビを見る、散歩に出る、買い物をする、ネットサーフィンをする、などなんでもいいのです。小説に触れないでいるうちに、ああなんとなく書いてみたいなあ、という意欲が芽生えてきます。何ヶ月、何年という月日が経っても、必ずです。

かくいう私も1年以上書けないという事態に陥った時期がありました。いつの日か、ふと「"お話"を書きたいなあ」と思ったことがあり、気づいたら没頭して小説を書いておりました。文字が書けないという方、どうか安心してくださいね。

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