無条件に愛するものがいる幸せ

無条件に愛するものがいる幸せ

はじまりは小学生

かれこれ20年以上前、政令指定都市にもかかわらず「捨てネコ」というものがまだありました。 公園に段ボールに入れられて捨てられていた子ネコ3匹。 弟が拾ってきて「ネコを捨てるなら俺も家出する」と親を説得し、幸いにも一軒家だったので飼い始めるようになりました。

当初は「家のタタキまでしか入れない」というルールで、ほぼ野良扱いでした。 ところが一か月もしないうちにリビングが許可され、1階全部、2階・・・と 最終的には家中どこでもいていいようになっていました。

その後 3匹のうち2匹は行方不明になりましたが、残ったメス1匹は19年生き天寿を全うしました。

2代目にゃんこたち

大学時代、弟と二人暮らしをしていました。 その時に、地域の新聞でネコの里親探しをしているのを見つけ、また雑種のオスネコ2匹を飼い始めました。

ネコ用のトイレ、餌、おもちゃを買い、準備は万端で迎えました。 飼い始めたときは、お腹が緩くそこら中に粗相をし大変でした。 元気になると、今度は家中を破壊する日々。カーテンは避け、襖はやぶれ、壁紙は爪痕だらけ・・・・。 結果、修繕グッズの購入も必要になってきて、DIYの腕が上がりました。

小さな毛玉のような二匹が駆けずり回る姿には、毎日笑顔をもらえたので、それさえも苦になりませんでした。

無条件に愛せる幸せ

ただそこにいるだけで、無条件に愛おしいという存在がいるのはいいものです。 遊び盛りの大学時代でさえ、早く帰宅したくてしかたなかったです。 心が凝り固まっていてもネコを見るだけで微笑みがでます。

ネコといえば、懐かないイメージですが、懐く子もいます。 最初のネコは野良ぽい媚びないメスネコでしたが、後のオス二匹はそれはもう人懐っこく、どこに行くにもついてきました。 家族で話していると一緒に席に着きニャーニャーと喋ります。また気まぐれで予想のできない行動をするところも愛おしいです。 犬派の父でさえ、いまではネコ中毒です。

もう一つの良かったこととして、家族との会話が増えます。 我が家では一日の会話の9割がネコの話です。

少しでも命を救いたい

私の住む街ではNPOや自治体の努力のお陰で、犬のさっ処分が0匹、ネコのさっ処分が50匹以下と他自治体より少ないです。 それでも、まだまだ救えた命があった・・・と思うといたたまれません。

今の私の状況として、命を預かることは無責任な結果になりそうで出来ませんが、いずれ状況が整い次第、またネコを飼いたいと思います。

「命を救う」という大義名分もありますが、ネコにすっかり魅了されてしまい「何匹でも欲しい!」というとめどない欲望が一番の理由ですが・・・。

やっぱりネコが好きすぎる

気軽に飼い始めてしまった私が言うのもなんなんですが、命を預かるというのは簡単なものではありません。 予防接種や去勢費用や病気をしたときのために経済力は必要です。保険がきかないので数万円が飛びます。

多頭飼いではなく、一匹で飼う場合は、やはり家をあけると寂しがるので長期の旅行はなかなか出来ません。 ペットホテルに預けることもできますが、旅行をしていてもどこか心がここにあらずになってしまいます。 私の母はいまだ長期の旅行に行きません。ネコがさみしがるから…という理由で。

なにより彼らはワガママで理屈が通りません。 それでも、私はネコのいない生活は考えられません。そんなリスクの何万倍も私たちに幸せを届けてくれますから。

もっと見る