これ、美味しいね

これ、美味しいね

「どうしてこんな美味しいお漬物が作れるの?」

と、みんなでお茶会をするとよく言われる。

「小さい頃から作ってるから」「何回も失敗してるから」などと答えるが、心の中では

「おいしいはずですよ、おばあちゃんたちに習ったんだもん!」

両親が農家で忙しく、おばあちゃんっこで育った。 物心付く頃からいつも祖母がいてその周りにはお年寄りばっかり・・・ その環境が当たり前でよく可愛がられた記憶がある。

法事はじめ冠婚葬祭 すべてに祖母にくっついていた。 お年寄りの食べるものが大好き。

漬物の味比べ

長年、主婦をしていると料理に自信を持ち、「これ、美味しいね」と言われるとついつい作ってしまう。 作ったら誰かに食べさせたくなり、作ったものをまた食べてもらい、「美味しいね。どうやって作るの?」 と聞かれたら最後、とことん教えて優越感を味わうらしい。

こうしてそれぞれの得意料理を披露しながら「和」ができ、長いお付き合いができるらしい。 第一線を引退したおばあちゃんたちは時間を気にすることなく、お茶会ができる。 色々なお漬物を持ち寄り、井戸端会議に花が咲く。

しかし、甘口、辛口、薄口あるいは濃い口の自慢の漬物が並ぶ。 毎年毎年食べていると「○○さんの漬物」と味がわかってくるらしい。

漬物の種類

季節ごとにつける浅漬け、保存食としての漬物。一口に「お漬物」と言っても種類が多いことに気づいたのはこのお茶会に何度も付き合わされたからだ。

おかげさまで漬物に関しての評価は厳しい。 なぜ同じ材料で甘かったり、硬かったり、発酵が進んだりするのか・・・・疑問を持った。

先人たちは「塩梅」という言葉をよく使われる。 これは、材料に対しての塩加減である。 漬物を作ろうとするときその材料に対して塩加減をどうするか。 塩だけでなく様々な調味料をどのくらいにすると自分たちの口に合うのか、を基本にするとほぼ間違いがないと教えてもらった。

自分の味

教えてもらった通りに作ってもなかなかピンとこない。 何度も何度も漬けて満足な味に仕上がったとき「これは美味しい」と言われた時の心地よさ。 言われたものでなければ分からない。

「食べて貰えればいいわ。」
「もうこれ以上美味しく作れない」

とリタイヤすることもしばしばだが、この感激を皆さんにも味わってほしい。

これからのお漬物

グローバルな社会に伴い、日本の食べ物が薄れ、基本を教えてくれる人も徐々に居なくなる。 近くのスーパーやコンビニに行けば手ごろな「お漬物まがい」のものがある。 祖母たちから教えてもらった「お漬物」が無くなる日も近いかもしれない。

「美味しいね、また作ってね」っていう子供に果たして先人たちの知恵を残せるのか。

今、これが課題となっている。

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