宝塚歌劇鑑賞
宝塚歌劇団、ときいて連想するのは、ベルサイユのばら、ラインダンス…「自分には縁のない世界」と思っていませんか?
2014年に100周年を迎えた宝塚歌劇は、もはや日本の伝統芸能といえるかもしれません。
未婚の女性だけで演じる華麗なステージで一世紀以上にわたって多くの人を魅了してきた宝塚。天海祐希さん、真矢ミキさん、檀れいさんなど、第一線で活躍中のスターを多数輩出してきた宝塚。食わず嫌いはもったいない!
ここではそんな宝塚の魅力をご紹介します。
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宝塚歌劇って何?
運営母体は阪急電鉄
宝塚歌劇団は、阪急電鉄創遊事業本部歌劇事業部によって運営されています。つまり入団=阪急電鉄への入社ということになります。入団すると「花組」「月組」「雪組」「星組」「宙組」の5組のいずれかに配属されます。公演は基本的に組単位で行います。
3つの専用劇場を中心に年間1,000回を超える公演
本拠地はもちろん兵庫県宝塚市。宝塚市にある宝塚大劇場、中劇場のバウホール、東京にある東京宝塚劇場の3つの専用劇場を中心に年間約1,300回もの公演を行っています。名古屋の中日劇場や東京・赤坂ACTシアター、福岡の博多座などの定期公演に加え、全国ツアーも実施しています。宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演する公演を「本公演」と呼びます。
宝塚ならではの「男役」ってなに?
団員は男性役を演じる「男役」と女性役を演じる「娘役」に分かれています。ほぼすべての公演は「男役」が主演をつとめます。
花・月・雪・星・宙の各組の本公演で主演を務めるのが「主演男役」通称 トップスター です。ミュージカルの主役も、ショーのフィナーレで一番大きな羽を背負ってトリを務めるのもトップスター。かつては「ダンスの花組」「芝居の月組」など組ごとのカラーが際立っていたようですが、トップスター次第で組のカラーも変化するのが宝塚の大きな特徴です。
宝塚歌劇の魅力とは?
オラオラ系からかわいい系まで、「男役」の魅力
「男役」は「男装の麗人」ではありません。女性が演じる「男性」だからこそ、「現実には存在しない男の中の男!」「どこにもいないカッコいい男」を演じることができるのです。
一言で「男のカッコよさ」といっても、正統派の王子様系、野性的なオラオラ系、ちょい悪の色男系、少年っぽさを漂わせたかわいい系、などさまざまです。各組の組カラー+トップスターの個性が組の持ち味となり、同じ演目でも組によって違う味わいになります。
トップスターの相手役を務めるのは「主演娘役」通称 トップ娘役 で、トップスターの「カッコよさ」を引き立てる女性らしい「かわいらしさ」が重視されます。男役の個性の多様化にともない、娘役の「かわいらしさ」も多様化し、個性あふれる娘役のファンも増えてきているようです。
きっと好みのものがみつかる!多彩な演目の数々
「カッコよさ」「かわいらしさ」の多様化に合わせ、宝塚の演目も多種多様になってきています。
本公演ではオリジナルのあて書きが多いのですが、『エリザベート』などの海外ミュージカル、オペラを下敷きにした『ファントム(オペラ座の怪人)』『王家に捧ぐ歌(アイーダ)』やコミック、アニメ原作の『ルパン三世』『るろうに剣心』、映画やドラマを下敷きにした『カサブランカ』『シャル・ウイ・ダンス?』『仁』『相棒』、ゲームが原作の『逆転裁判』『戦国BASARA』…「え?宝塚で『ふーじこちゃーん』とか『異議あり!』って言っちゃうの?」…
そうなんです。キラッキラのルパンや成歩堂、右京さんなんて、観てみたいと思いませんか?
生オケ、大階段のスペクタクルな劇場空間
初めて観るなら「本公演」がオススメです。ミュージカル+ショーの2部構成が基本で、伴奏はすべて専属のオーケストラによる生演奏。有名なラインダンスはショーの中に必ず組み込まれています。
本公演には各組に所属の団員が全員出演しますから、群舞シーンなどは70名ほどが舞台にひしめき合うことになります。 ステージ上に何か所も設置された「セリ」やフィナーレで登場する26段の大階段なども、専用劇場ならではの舞台装置です。
舞台だけでなく、売店で売っている軽食やお菓子が吟味されているのも実は隠れた人気の秘訣。オフィシャルショップ『キャトルレーヴ』ではスターのステージ写真などのほか、チケットがぴったり収まるサイズのクリアファイルやなど便利グッズも売っています。
観に行くにはどうすればいいの?
公演数の多い本公演は平日ならタイミング次第で空席が出ることもあります。また複数のカード会社が貸切公演や会員向けの先行販売枠を持っていますから、カード会社の会員特典を確認してみましょう。
阪急旅行社では公演チケットと宿泊あるいはお食事をパックにしたお得な「観劇ツアー」も販売しています。もし身近にファンクラブに入っている宝塚ファンがいたら、チケットの取り次ぎが頼めるかどうかきいてみるのもいいでしょう。
どの公演を選ぶか、ですが、最初は演目を基準に選ぶのがおすすめです。『エリザベート』『風と共に去りぬ』などの一幕ものよりも、ミュージカル+ショーの二部形式のものの方が、より宝塚らしさを堪能できるかもしれません。
フィナーレは笑顔!が最大の魅力
本公演ではフィナーレに電飾で彩られた大階段が出てきて、出演者全員がキラキラの衣装で順番に笑顔で歌いながら階段を下りてきます。
前半のミュージカルがどんなに悲劇的な物語だったとしても、フィナーレはキラキラの笑顔で送り出してくれる、それが宝塚歌劇の最大の魅力かもしれません。