インコと暮らす、癒され生活
私の父が動物好きだったこともあり、子供の頃から家でセキセイインコが飼われていました。雛から育てたことも成鳥から飼い始めたこともあり、小鳥との暮らしがごく普通に生活の一部となっておりました。
大人になり結婚して20年を超えましたが、我が家には子供がいないため、ずっと共働きでと仕事を続けています。子供がいない夫婦二人だけの生活も楽しいものでしたが、ふと振り返ったときに何か物足りないものを感じていたのも事実です。
ちょうど7年前に父が病気入院したのを機に前の職場を辞め、半年ほど職探しをしていたある日、『家にいる今なら、雛の世話をすることができる』と思い立ち、夫に相談してセキセイインコの雛を購入しました。当時は夫も仕事が忙しくストレスを抱えることも多かったため、小鳥がいる暮らしで癒しを与えてあげたいとも思ったのも、飼育を始めた動機の一つです。
小鳥をお迎えするために…家族の理解
飼育するからにはまず夫に同意してもらわなければと思い、『インコが飼いたいな』と打ちあけたところ、『いいよ、飼おう』と即答でしたので、まず家族の同意については問題なく第一関門突破でした。
実はインコを飼う数年前にジャンガリアンハムスターを飼ったことがあるのですが、寿命が短いため死んだ時にはがっかりし、もうペットを飼うことは半ばあきらめていたようです。それでも、夫も何か飼ってみたいという思いがあったらしく、二人ですぐ行きつけのホームセンターのペットコーナーへ出かけました。
そこには生後2,3週間ほどのセキセイインコの雛たちが、可愛らしくピーピー鳴いたり、エサを食べたりしていました。二人でせーので『この子だ』と思うインコを指さしたら、ピッタリ同じ子を指さしました。一番元気そうで食欲旺盛に見えた子、その時のインコが今も自宅で暮らしております。雛を選ぶには、まず元気な子、店員さんの飼育知識が豊富で世話の行き届いた店で選ぶのが良いと思います。ただ、雛のうちは雄雌の判別はできません。
我が家のインコは成長していく過程でメスであることがわかりましたが、どちらでも可愛さに違いはありませんので、精いっぱい愛情を注いで育ててほしいです。
小鳥のお世話生活…楽しく濃い時間
飼う雛が決まったら、当分必要なエサの粟玉とエサ入れを購入し、我が家での飼育が始まりました。飼育用のプラケースに干し草を敷いたりして飼うこともできますが、暖かい時期でしたのでティッシュケース程の小型の段ボールに新聞紙をちぎって敷き詰めた飼育箱で代用しました。また雛は寒さに弱いので、ホット専用の350mlのペットボトルにお湯を入れ、靴下をかぶせて湯たんぽ替わりに箱に入れてあげました。
飼育で一番大切なエサやりは、朝・昼・夕方・夜の1日4回行いました。エサの粟玉を40℃弱のお湯でふやかしてプラスチックのスプーン(うちではアイス用のスプーンで代用)で口元に差し出すと、鳴きながら食べていたのを覚えています。この時期が一番手のかかる時期ですが、毎回楽しくやっておりました。雛はお腹がいっぱいになると、すぐ眠り始めます。うちのインコは服のポケットに潜り込んで眠ることが多かったため、しばらくはそこから動けなくなりましたが、かけがえの無い至福の時間でした。
その後1か月くらいで自分でエサを食べるようになったため、普通の乾いたエサにだんだんと切り替えていき、鳥籠も新しく購入しました。併せてインコの飼育専門書も購入し、あらためてインコについて学び、食べさせて良い野菜なども調べて少しずつ食べさせ、飼育用のエサだけで栄養が偏らないように補助のエサなども購入しました。こうして少しずつ小鳥について理解を深めていきました。
小鳥を飼ってよかったこと
まず第1に可愛いしぐさです。毛づくろい、あくび、羽根伸ばしなど、を見ているだけで癒されます。次に好奇心が旺盛なところです。野生のセキセイインコは元々群れで生活する習性があるため、私たち夫婦のことも『仲間』と思っているらしく、放鳥の間は何をしていても興味津々に寄ってきます。友人が遊びに来ても、3人来れば3人に必ず寄っていきます。ご挨拶のつもりなのかもしれませんが、まさにコンパニオンバードという言葉がぴったりです。
そして、何よりも感情が豊かなことです。鳥には感情が無いという人もいますが、うちのインコは怒った時には全身で感情を表します。動作がキビキビとなって、尾羽根を上げて怒りを表します。(幸い、すぐ機嫌も直るのですが…)或る日、小鳥を飼ったことのなかった夫がしみじみと『鳥って、こんなに感情有るんだね』と言っていたのを聞いて、とてもうれしく思いました。
小鳥とのこれから、について
我が家はその後、主人が単身赴任となり、今は私とインコだけの暮らしになりました。 私も転職をして仕事をしているため、平日はインコだけポツンと部屋に残している状態です。そのため、仕事が終わったら用事の無い日はすぐ帰宅して、インコとまったり過ごしております。
インコの7歳は人間の50代くらいになり、私とちょうど同じ世代です。一般的に寿命は10年くらいと言われておりますのであと何年生きてくれるかわかりませんが、最後の時までしっかりお世話して一日でも長く暮らしを共に楽しみたいと思っております。
セキセイインコのおしゃべり
セキセイインコで普通、しゃべるのはオスです。それでも、人間に個性があるように小鳥1羽1羽にも性格の違いがあります。オスでもしゃべるのが得意でない子もいると思います。
我が家のインコはメスでしたが、生後4ヵ月ごろから電子レンジのピー音から始まって、携帯のシャッター音、夫の声マネ、私の咳の声などいろいろ物まねをしていました。ただし、発情期にさしかかった頃にしゃべらなくなり、少し残念です。それでも、現在はカメラの音とサランラップを皿に巻き付ける時のキュッキュッとした音、といったマニアックな音マネをします。今はそれだけでも十分楽しんでいます。
エサ代も1羽だとそれほどかかりませんので、負担も少ないです。小鳥をこれから飼おうと思っている方には、第一にセキセイインコをぜひお勧めしたいと思います。
インコ飼育の体験談
インコと暮らす、癒され生活
(宮城県 50代 女性 )
私の父が動物好きだったこともあり、子供の頃から家でセキセイインコが飼われていました。雛から育てたことも成鳥から飼 ...