百人一首

百人一首

百人一首は、たくさん詠み人が詠んだ和歌の中から、さらに選りすぐった100人の歌人が詠んだ和歌を100首集めたものです。

和歌集はいろいろとありますが、百人一首と呼ばれるものは藤原定家が小倉山での山荘で選んだとされる『小倉百人一首』が有名で、私達が普段百人一首と読んでいるものは、この『小倉百人一首』のこと。

マンガや映画にもなりましたが、歌がるたとして広く用いられ、大会も開かれるほど人気があります。

平安の昔より

平安の昔より

和歌は日本に古来からある、短い定型詩。5-7-5の上の句と7-7の下の句でまとめられて、景色が眼前に絵のように思い浮かぶものが素晴らしさがあり、一首一首に様々な思いが込められています。百人一首は飛鳥時代までさかのぼって秀でた作品100首を集め、まとめたものです。

例えば、

  • 恋心
  • 季節

これらを美しく詠み上げています。秀でた作品を選び集めていることから、秀歌撰とも呼ばれます。

百人一首の魅力

小野小町

恋歌

百人一首には、恋を詠んだ歌がたくさんあります。あなたの声が聞きたい、あの日の楽しかった記憶が思い出されて胸が苦しい、そんな切なさやロマンチックな気持ちがたくさん詠まれています。今も昔も恋する気持ちに変わりはないのだと思わせてくれるのも魅力です。

声に出して読む

百人一首は声に出して読んだほうが、より一層趣深いと言われています。声に出して読むことで、情景が目に浮かびやすくなり、しっとりとその世界に浸ることもできます。

美しい言葉に触れる

日本には季節を表すたくさんの繊細な色の名前や、大和言葉と呼ばれる奥ゆかしくもすっきりした言葉があります。百人一首を読むことで、これらの美しい言葉に触れることができるので、語彙が増えることも大きな魅力の1つです。

百人一首は難しくない

百人一首は難しくない

あの人の和歌もある

例えば、源氏物語で有名な紫式部。美女と名高い小野小町など、あっ知ってる!という人物の歌が1首はあるので、そこから読んでみるのもオススメです。

ほとんどのものに現代語訳がついているとはいえ、100首すべてを覚えるぞ!読むぞ!と意気込んでしまうと二の足を踏んでしまうかもしれませんが、百人一首には必ず詠み人(その和歌を作った人)が記されているのでわかりやすく、探しやすいと思います。

競技かるたが有名だけど…

競技かるたは1月に、滋賀県近江神宮で行われる名人戦とクィーン戦が有名ですが、実は級がいくつかあり、せっかく百人一首を覚えたなら、挑戦してみるのもオススメ。日本だけでなく、世界各国に参加希望者がいるほど人気があります。全国各地で行われているので、参加してみるのも楽しいのではないでしょうか。

誰でもできる?

読み手を決めて上の句を読み上げてもらい、下の句を取り合うほかに、『坊主めくり』という遊び方があります。百人一首には詠み人の絵が描かれているので、男性なら自分の手札に、女性(姫)を引き当てたなら総取り、逆に坊主(お坊さん、まれにハゲという)を引いたら、引いた人の手札が取られてしまうというもの。ババ抜きやウノのような札遊びです。これなら幼いお子さんでも一緒にできますし、坊主憎しとなりそうですが、引いた札から読んでいくこともできるので、手軽に始められます。

百人一首に触れよう!

百人一首に触れよう

恋する心は千年前も今も同じこと。悩む気持ちも高い志も、人はいつの時代も同じ思いを抱いています。それを簡潔に美しく、今に伝えてくれるのが百人一首。読めば、どこかに自分の心と重なり合うものが見つけられるはず。いにしえの言葉で季節や色彩を感じる百人一首を、そっとめくってみませんか?