お遍路

お遍路

お遍路とは四国八十八箇所のお寺を巡ることです。でもなぜ多くのお寺を巡るのか、何のためにお遍路をする人がいるのでしょうか?

お遍路というと昔はお年寄りが巡るという光景でしたが、近年は政治家、芸能人、スポーツ選手なども巡礼されるようになってきました。このように職業や年齢問わずお遍路に足を運ばせる魅力とは一体なんでしょう?

お遍路について

四国八十八箇所霊場第四十三番明石寺

お遍路ってなに?

お遍路の旅は、家内安全、病気の回復、先祖供養、現世と将来に対しての祈願をする旅です。信仰以外にも健康、ストレス解消、自分自身の反省や再発見、または観光とひとそれぞれですが、巡礼して想うことは日本人の「おもてなし」はここ四国のお遍路にあるとも思われます。

お遍路っていつからあるの?

四国を修行する人々の様子が書かれているのは「今昔物語集」で平安時代に入ってのことで、修行僧が厳しい海岸の路を歩き修行する姿が記されているだけでした。

現代のような大師信仰による遍路の姿は江戸時代に入ってからのことで庶民の姿が多くみられるようになります。よく時代劇の中でお遍路に行くシーンがあったりしますが、当時江戸からお遍路やお伊勢参りなどは命懸けのことでもありました。

徒歩ですから余程の体力が必要ですし、長い道中盗賊などに金銭や命を奪われることもありますので、女性が行くことはほとんどなかったようです。

どのくらいの距離を歩くの?日数は?

歩き遍路の場合は、約50日前後が平均な日数とされています。距離は1400キロもあり、その道のりは険しい山道とアスファルトを歩き、高いところでは標高911mの山頂まで登ります。荷物を背負って歩くとなると健脚の人でも相当体に負担がかかるので無理せずに自分に合った遍路をお勧めします。

さぁ!お遍路巡礼の旅に出かけよう

四国八十八箇所霊場第八十六番志度寺

巡礼の方法

歩いて巡礼する以外にも、車やバイクあるいは自転車を使うお遍路もありとされています。その他にも、タクシーやバス、レンタカーなどで回る方法もあるので、きちんと自分に合ったプランを立て、どの方法で巡礼をするのかきちんと調べてから行くことにしましょう。

かかる費用は?

歩き遍路が宿泊費や食事代も日数分かかるため一番お金が必要になります。 1番から88番まで歩くと足の速い人で45日、遅い人で60日かかります。1日1万円くらいを目安にすると良いでしょう。

どの季節が一番いいの?

巡礼のシーズンは3月~5月、9月~11月です。この時期は気候がよく日も長いので巡拝の人も多くいます。

独りで行くのは大丈夫?

基本的に巡礼は大師さまと二人で回るとされています。もちろん実際には一人なので夜間歩き続けるのも十分注意が必要です。近年は巡礼者を狙った犯罪も増えています。お遍路を巡っている人たちに何てことを!と嘆くことではありますが極力夜間はどこかで休むようにするこが大事です。

準備するものは?

  • 菅笠(日除け、雨帽)
  • 金剛杖(杖には弘法大師が宿るといわれています。)
  • 白衣(道中着と判衣があり、着るのが道中着。判衣は納経帳と同じように御宝印をいただくもので着ない)
  • 半袈裟(仏事、巡礼の際の略礼服で肩からかける)
  • 念珠(参拝の際手を合わす際にかける)
  • 納札(各札所の本堂、大師堂の納札箱に納めます。接待を受けた際差し上げるのが礼儀)
  • 納経帳(納経の証として各札所の納経所にて御朱印をいただく)

その他にも経本・ろうそく・持鈴・巡礼バッグなど様々なものがありますが、これらを全て揃える必要はなく自分にとって必要なものだけで十分です。

ただし納経料は300円かかりますので、88箇所×300円それだけでも26,400円は必要です。

最後に

お遍路の最後に

お遍路の道中、地元の人たちが食べ物や飲み物をほどこしたり、一夜の宿を提供してくれたり、さらには目的地まで車で送ってくれる方もいます。こうした接待には「自分にかわってお参りをしてほしい」という願いと、「善い行いをすると報いがある」という期待が込められています。

お遍路の魅力とは、巡礼をしながら地元の人たちとふれあい、そして無事に終えた時に新たな自分との出会いに気が付く旅でもあるのです。