ボタニカルアート

ボタニカルアート

ボタニカルアート(植物画)とは、植物の花や葉や茎などを実物大に、細密に描いた絵のことです。 とげや種などの細かい部分は断面図や拡大図として描くこともあり、芸術と科学の両面を満たす絵画として発展してきました。

普通の水彩画などと違う点は、背景や地面、花瓶などを描かないことと、一枚の紙に一種類の植物を描くのが基本となっていることです。 背景などが無いことで画面の構成などに悩むこともなく、美術初心者でも取り掛かりやすい絵画といえます。

ボタニカルアートの魅力

ボタニカルアートの魅力

ボタニカルアートは、15〜16世紀の大航海時代に、たどり着いた新しい土地で初めて目にした植物を記録し、本国に伝えるために盛んになりました。写真のなかった時代、植物の美しさやみずみずしさまで、よりリアルに伝えられるよう画家たちは使命感を持って描いたようです。

自然と関わることが少なくなってしまった現代の私たちにとっては、身近にある植物を改めて観察し描くことで、 自然の造形の美しさを再発見することができます。忙しい毎日から離れ、無心に植物と向き合う時間は、心の豊かさも与えてくれるでしょう。

おもに美しい花を描くことから、女性には特に人気がある趣味といえます。 描いた絵は額に入れてインテリアとして飾っても素敵ですし、絵をもとに便箋や封筒、ラベルなどを作って、生活の中で様々に活用している方も多いようです。

ボタニカルアートのはじめ方

ボタニカルアートのはじめ方

スクールを探す

ボタニカルアートを習うための教室は、カルチャースクールの講座や通信講座、個人教室などが全国にあります。 例えば、全13 回で2万円台の講座や、月に2回ほどで1万円〜など、回数や受講料も様々です。 通いやすい場所、時間や費用など、自分に合ったところを探してみましょう。

自分ではじめる

自分でとりあえず始めてみたいという方には、描き方の入門書も多く出ています。 平均2,000円〜3,000円くらいで購入できるものが多く、中にはDVD付で描き方が画像で学べるものや、すでに印刷されている下絵を、水彩絵の具で塗り絵のように塗っていくタイプのテキストもあります。

必要な道具は?

筆、水彩絵の具、水彩紙、パレット、鉛筆などが必要です。ほかにも、植物の細かい部分を観察するための虫眼鏡やルーペなどもあると便利です。

ボタニカルアートの画材セットとして、12,000円くらいからのものが販売されているものもありますが、手軽に始めてみるなら特に高い画材を購入しなくても、100円ショップなどでも、筆やパレット、水彩絵の具などを揃えることができます。

筆の種類や大きさ、絵の具の色数や紙の種類については、テキスト等に詳しく載っているので、できるだけ近いもの・使いやすそうなものを選んで購入すると良いでしょう。